【初心者向け】クロスバイク・MTBの変速方法|フラットバー操作を表で完全解説

2026年2月6日by NishimuraDaisuke
フラットバー(ラピッドファイヤ)シフターの全体像(レバーと手全体)
フラットバー(ラピッドファイヤ)シフターは、親指と人差し指で直感的に操作できます。

クロスバイクやMTBの変速は、指先ひとつで「カチッ」と決まる快感が魅力です。 ドロップハンドルのSTIレバーよりも直感的で分かりやすい反面、 「親指で押す?人差し指で引く?結局どっち?」で迷う方が少なくありません。

そしてもうひとつ、初心者が不安になりやすいのが 「ルール通りにやっているのに、ガチャガチャ音がするだけでうまく入らない」という状況です。 でも安心してください。変速は“操作が難しい”というより、 タイミング(いつ変えるか)チェーンライン(どの組み合わせにするか)を ちょっと知るだけで、驚くほどスムーズになります。

この記事では、シマノ製のラピッドファイヤ(Rapidfire)タイプを例に、 疲れない・壊さない・迷わない変速の考え方を解説します。 最近主流の「フロントシングル」や便利な「2ウェイリリース」についても触れますので、今日の走りからすぐに役立ちます。

QUICK SUMMARY
  • 基本は右手=リア(後ろ)/左手=フロント(前)
  • 最新の1×(ワンバイ)仕様なら右手のみに集中でOK
  • 人差し指レバーは「引いても押しても」変速できる(2ウェイリリース)
  • 急な坂は親指を深く押し込む「一気変速」がフラットバーの強み

目次

  1. レバーの役割(どの指?どこ動かす?)
  2. 変速の基本ルール(壊さないための3原則)
  3. フラットバーならではの変速のコツ
  4. フロント変速(左手)の考え方:いつ使う?
  5. よくある違和感の原因(自分で沼らない)
  6. FAQ(よくある質問:クロス・MTB編)
  7. まとめ

ドロップハンドル(ロードバイク)のSTI操作も知りたい方はこちら:
変速機の操作方法(ロードバイク STIレバー編)


レバーの役割(どの指?どこ動かす?)

クロスバイクやMTBの多くはシマノのラピッドファイヤ系(Rapidfire)です。 基本は「親指で押す」「人差し指で引く」の2操作。 まずは右手(リア)だけでもOK。ここが一番使います。

【最近のトレンド:フロントシングル】
最新のMTBやSHIMANO CUES搭載のクロスバイクでは、前のギアが1枚しかない「フロントシングル」が増えています。もしあなたの自転車に左レバーがなければ、右手だけに集中すればOK。操作がよりシンプルになります。
右手シフター(裏側から見た親指・人差し指レバー位置)
裏側から見ると、親指レバー/人差し指レバーの位置関係がよく分かります。
どの手・指? どう動かす? 何が起きる? 使う場面(例)
右手・親指 奥へ押す ギアが軽くなる 発進・坂道・向かい風
右手・人差し指 手前に引く ギアが重くなる 平地・下り・スピードを出す時
左手・親指 奥へしっかり押す ギアが重くなる 巡航速度を上げたい時
左手・人差し指 手前に引く ギアが軽くなる 長い登り・脚が疲れた時
★人差し指レバーは「押しても」動く!(2ウェイリリース)
シマノの多くのモデルは、人差し指側のレバーを「引く」だけでなく「親指で奥へ押す」ことでも変速できます。手の大きさや好みに合わせて、ラクな方で操作して大丈夫です。
迷ったらこれだけ!
右手の親指=軽く/右手の人差し指=重く。まずはここから始めましょう。

変速の基本ルール(壊さないための3原則)

変速がガチャガチャするのは「故障」ではなく「タイミング」の問題であることがほとんどです。

変速時はペダルを踏む力を一瞬抜く
変速の瞬間は、ペダルの力を一瞬だけ抜くのがコツ。これだけで失敗が激減します。

1. 強く踏み込みながら変速しない

変速はチェーンが隣の歯に乗り換える動きです。強く踏んでいるとチェーンが強く張られ、乗り換えに失敗したり異音の原因になります。コツは「変速の瞬間だけ、半回転ふわっと力を抜く」ことです。

2. ペダルを止めたまま変速しない

停止中にレバーを動かしてもギアは変わりません。そのまま漕ぎ出すと、溜まっていた変速が一気に動こうとしてトラブルに繋がります。信号待ちは止まる前に軽くするのが鉄則です。

3. 極端なチェーンラインを避ける(たすき掛けNG)

「前が一番内側×後ろが一番外側」のような、チェーンが極端に斜めになる組み合わせは避けましょう。異音や摩耗を早める原因になります。

チェーンラインのたすき掛け(チェーンが斜めになるNG例)
段数が多いクロスバイクこそ、斜めがけによる異音に注意が必要です。
フラットバーでも「たすき掛け」はNG!
「前が一番内側×後ろが一番外側」のような組み合わせは、異音・摩耗・変速不良の原因になります。気になる音が出たら、まずはこの組み合わせになっていないか確認してみてください。

フラットバーならではの変速のコツ

1. 「一気に変速」機能を活用する(フラットバーの強み!)

右手の親指レバーは、グイッと深く押し込むことで一度に2〜3段分ギアを軽くできるモデルがほとんどです。「あ、坂がきつい!」と思った瞬間にガガッと一気に軽くできるのは、ロードバイクよりもフラットバーが得意な分野。この「一気変速」をマスターすると、急な地形の変化も怖くなくなります。

2. インジケーター(目盛り)を過信しない

今何速か見える「目盛り」は便利ですが、走行中に注視するのは危険です。「目で見る」よりも、「脚が重くなったら軽く、空回りしたら重く」という感覚で指が動くようになると、より安全で快適になります。


フロント変速(左手)の考え方:いつ使う?

※フロントシングル(左レバーがない自転車)の方は、読み飛ばして大丈夫です!

左手は「大きなモード切り替え」です。

  • インナー(前が小さい):激しい登りや、とにかくラクに走りたい時の“低速モード”
  • アウター(前が大きい):スピードに乗ってスイスイ走りたい時の“巡航モード”
コツ:フロント変速はリア以上に「踏む力を抜く」こと、重くするときは変速が完了するまで親指をしっかりと押し込んだままにしておくことが大切です。思いっきり強く踏み続けると、チェーン落ちやチェーンリング変形の原因になります。

よくある違和感の原因(自分で沼らない)

1. 乗り始めの「初期なじみ」

納車後しばらくすると、ワイヤーの各部が落ち着くことで変速に微細なズレが生じます。これは不具合ではなく、新車には必ず起こる現象です。1〜3ヶ月後を目安に点検にお持ちください。

2. 調整ネジに触る前に、まず疑うこと

変速の調子が悪いと、ディレイラーのネジ(H/L/Bテンションなど)を触りたくなりますが、おすすめしません。ここは変速の振り幅やチェーン落ち防止に関わる“安全装置”のような部分で、自己流で触ると悪化しやすいポイントです。

「なんか変だな」と思ったら、ネジを触る前にショップへ。
変速調整は精密です。自己流で調整して沼る前に、お気軽にバイクプラス各店へご相談ください。

3. 転倒・車載後の変速不良

自転車を右側に倒したり、車に積んだ後に変速がおかしくなった場合、「ディレイラーハンガー」というパーツが曲がっている可能性があります。
詳しくはこちら:ディレイラーハンガーのアラインメント

転倒・輪行・車載のあとに「特定のギアだけ入らない/勝手に変速する/調整してもすぐズレる」なら、ハンガーの曲がり疑い。
見た目では分からないレベルでも曲がることがあり、この場合は調整だけでは直らないことがあります。無理に乗り続けず、早めの点検がおすすめです。

FAQ(よくある質問:クロス・MTB編)

人差し指レバー、押しても引いても動くけど故障? いいえ、正常です。シマノの「2ウェイリリース」という便利な機能です。状況に応じて使いやすい指の動きで操作してください。
変速すると「ガシャッ」と大きな音がします。 多くは「強く踏み込みながらの変速」が原因です。変速の瞬間だけ力を抜く意識を持つだけで、音は劇的に静かになります。
左レバーが右手より重い気がするのですが。 フロント変速は大きなチェーンを動かすため、構造上右手より少し力が必要です。カチッと止まるまでしっかり押し切ってみてください。
坂の途中で変速がうまくいきません。 登りは負荷が高くチェーンが動きにくくなるためです。基本は「坂に入る前に軽くする(先読み変速)」。途中なら変速の瞬間だけ力を抜いて軽く回しながら操作すると成功率が上がります。

まとめ

クロスバイクやMTBの変速は、体力を守り、街中を軽快に走り抜けるための武器です。 「止まる前に軽くする」「坂の手前で一気に軽くする」。この2つを意識するだけで、走りの質がガラリと変わります。

まずは右手だけでOK。慣れてきたら「一気変速」や「フロント変速」を使いこなし、自分にとって一番心地よいリズムを見つけてみてください。

変速操作に慣れてきたら、次は「ギア比」の知識でもっと効率よく!
変速の基礎知識と上手なギア比の選び方
転倒・車載のあとに変速が急におかしくなった場合は、こちらも参考に:
ディレイラーハンガーのアラインメント
西村 大助(Nishimura Daisuke)

西村 大助(Nishimura Daisuke)

バイクプラス共同創業者ショップ経験30年、MTB好き歴38年

1980年代後半にMTBに熱中し、アルバイト時代に老舗アウトドアブランドの自転車売場を担当。この頃に自転車整備士資格を取得し、本格的に自転車業界でのキャリアを歩み始める。2000年には外資系アウトドア専門店で専任メカニックとして勤務。その後、国内大手アウトドアメーカーの直営店で自転車売場を担当し、自転車取り扱い店舗拡大のためのスタッフ育成や販売体制の基盤づくりに貢献。 2003年には米国バーネット・バイシクル・インスティチュートへ留学し、体系的な整備技術を修得。帰国後は専門誌での記事連載やメンテナンスDVD出演などを通じて情報発信にも携わる。2007年にバイクプラスを共同創業し、全7店舗の立ち上げに関わる。 現在はオンラインストア運営やブログを中心に活動し、「専門性は高く、でも初心者にとって敷居は低く」を信条に、自転車のあるライフスタイルを提案している。

専門/得意分野
  • マウンテンバイク/ロードバイク/クロスバイク/eバイクの販売整備およびeMTBのカスタム
  • 米国メカニックスクールで学んだ体系的な整備技術
  • ショップ運営とスタッフ育成
  • サイクリング文化の普及活動
  • e-MTBでのトレイル/グラベルライド/キャンプ
保有資格
  • 1997年 自転車組立整備士合格
  • 1997年 自転車安全整備士合格
  • 2003年 Barnett Bicycle Institute Master Mechanic 3.0 Certified